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10人未満の会社の就業規則

  • 2008-12-10 (水)

10人未満の会社は、就業規則を作らなくてもよいのでしょうか?

労働基準法上、就業規則は、常時10人以上の労働者がいる事業場においては作成の義務があり、所轄の労働基準監督署に届け出なければならないことになっています。(労働基準法第89条)
したがって、10人未満の事業所の場合、就業規則の作成義務はありません。(会社が10人未満ということではなく、事業所が10人未満ということです)

しかし、労働基準法において作成義務がなくても、以下のような理由から就業規則は作成すべきです。

10人未満の事業所であっても、

  1. 経営者と従業員の間に約束は必要です。
  2. 経営理念の浸透が必要です。理念重視型経営の実践に就業規則は必須です。
  3. フェアなルールが必要です。また、ルール違反に対してはペナルティ(懲戒)が必要です。ちなみに、従業員に対して懲戒処分をするためには、就業規則や雇用契約書に、懲戒の種類、程度が明示されていなければいけません。
  4. 労働問題は発生します。その場合に、就業規則がなければ、問題が大きくなります。例えば、やむを得ず解雇しなければならない場合・私傷病のため業務が不可能になってしまった場合・、
  5. 各種の助成金をもらうときには、監督署に提出した就業規則が必要になることがあります。

当事務所では、業績向上のために就業規則が必要だと考えておりますので、10人未満だろうと10人以上だろうと関係ありません。

※なお、就業規則の作成義務はなくても、36協定の締結・届出は必要(残業をさせるためには)ですので、ご注意ください。

管理職には、残業代は不要か?

  • 2008-02-13 (水)

残業代に関する誤解で最も多いのが、「管理職には残業代は不要」というものです。先日、某ファーストフードチェーンの店長は管理監督者ではないから、残業代を払わなくてはならないという判決が出ました。さて、この誤解は、労働基準法の第41条を拡大解釈してしまったことから来ています。
実際には、「労働基準法は知らないけど、他の会社がそうしているから、そうなんだろう」という会社が多いと思います。

たしかに、労働基準法第41条では、「監督若しくは管理の地位にある者」は、労働時間、休憩及び休日に関して適用除外としています。

しかし、「監督若しくは管理の地位にある者」(以下「管理監督者」といいます)と、いわゆる「管理職」とは、同じではないのです。

実は、労働基準法では、管理監督者について明確に定義されていません。そこで、行政解釈や判例で示されています。
行政解釈による管理監督者の範囲は、いわゆる管理職よりも、かなり範囲が狭いのです。
具体的には、以下のような基準によって判断されています。

  • 経営方針の決定に参加したり、労務管理上の指揮権限を持っているかなど、経営者と一体的な立場にあるかどうか
  • 出退勤について厳格な管理を受けているかどうか
  • 基本給、役職手当、賞与などについて優遇されていて、管理監督者としてふさわしい待遇を受けているかどうか
  • 判例では、行政解釈よりもさらに厳格で、容易には管理監督者とは認められていません。

    多くの会社では、「課長以上には残業代を支給しない。」としていますが、一般的な会社の課長クラスでは、管理監督者として否認される可能性が高いでしょう。

    こういう話をすると、
    「どこの会社だって管理職には残業代は払っていないじゃないか!」と言われます。
    その通りです。きちんと払っている会社はほとんどありません。管理職に限らず、一般社員にすら、きちんと払っていないケースがかなりあります。労働基準監督署も、調査をしているのですが、マンパワー的な制約から、管理職への残業代未払いまで手が回っていないのです。ただ、労働基準監督署の調査は、徐々に厳しくなってきていますので、今までのようにはいかないかもしれません。また、従業員(若しくは退職者)から申告があった場合に行われる調査では、チェックされる可能性が高いでしょう。チェックされれば、是正勧告を出され、未払いの残業代を過去2年に遡って支払うことになります。(全員分です)中小企業にとっては、致命的なダメージとなりかねません。
    監督署の判断を不服として裁判をしても、おそらくどうにもなりません。裁判所は行政解釈よりもさらに厳格ですから。

    皆さんの会社では、どのようにされますか?
    誰かが監督署に駆け込まなければ、ばれないから、「右にならえ」でしょうか?

    じつは、労働基準法違反で是正勧告を出されるよりも、もっと深刻な問題があります。
    従業員との信頼関係が壊れる、あるいは信頼関係が構築できないという問題です。
    会社の違法行為は、従業員からの信頼を失う最大の要因なのです。
    従業員との信頼関係がなければ、従業員の満足度は上がりません。愚痴をこぼしながら、ただ給料をもらうためだけに働くようになります。モラールアップは、困難です。そうなると、お客様に満足をいただけるような、いい仕事は出来ません。
    それでいて、表向きは法令遵守を謳っていたりすると、超シラケます。
    優秀な従業員が去っていくことになります。
    信頼関係が壊れてしまえば、取れるものは取ってやれと言うことで、辞めるときには、監督署に申告します。

    「いままで特に問題なかった」とおっしゃるかもしれません。
    それは、今まで問題がなかっただけの話です。これからは、労働者も情報武装して賢くなってきます。試しに、ネットで「サービス残業」などと検索してみてください。会社に対抗するテクニックがカンタンに見つかると思います。

    企業防衛型就業規則で守りを固めるという考え方もありますが、従業員満足度はますます下がってしまいますね。
    やはり、信頼関係の構築を最優先で考えるべきだと思います。信頼関係の構築の第一歩は、法令遵守です。管理職にも残業代を払うということです。確かに、中小企業にとって残業代は、大変な負担です。
    しかし、「無い袖は振れない」開き直らないでください。手はありますから。

    従業員満足主義という考え方

    • 2008-02-11 (月)

    経営理念に顧客第一主義を掲げ、経営目標を顧客満足とする企業は多いですよね。
    顧客満足を第一とするのは結構なのですが、どうやって顧客の満足を得るのかについて、従業員にきちんと伝えず、ただ単に顧客満足を押しつけると、従業員は疲弊します。
    また、従業員を犠牲にした顧客満足は長続きしません。
    利益最優先の経営と同様、優秀な従業員から去っていくことになります。

    真の顧客満足は、まず従業員の満足から始まるということです。
    従業員の満足度が低ければ、「顧客に満足を与えよう」と思って仕事なんて出来ないですよね。

    当事務所では、経営理念の初めに来るものは、従業員満足だと考えています。経営理念・行動規範・人事ポリシー・就業規則に従業員第一主義を明確に打ち出したものを作成しています。
    実際に、従業員が、「自分は大事にされている」と感じるようになれば、働きぶりは変わってきます。モラールが向上し、自分で考えて行動するようになります。会社と従業員の信頼関係は強固なのもとなります。当然、労使トラブルは減少します。

    従業員第一主義で有名な企業としては、サウスウエスト航空がありますが、いくつか参考書籍を紹介しておきます。経営理念作りや就業規則作成の参考になればうれしいです。

    バリュー・プロフィット・チェーン—顧客・従業員満足を「利益」と連鎖させる

    文句ばかりの会社は儲からない!—従業員満足のための顧客満足

    社員満足の経営—ES調査の設計・実施・活用法

    ESコーチング&ESマネジメント感動倍増組織のつくりかた—すぐに使える!会社が得する

    大山流ES入門 社員の働く幸福感—ES増強ホップ・ステップ・ジャンプ!

    また、従業員第一主義は採用活動にも絶大な効果があります。
    一例をあげますと、
    「宇宙一愛される経営」を目指している、ライブレボリューションという会社があります。40人規模の会社ですが、新卒説明会には9000人以上の学生が参加したそうです。また、2009年卒業予定の学生がオススメする企業というアンケート調査では、3位になっています。(ちなみに、1位はP&G、2位はゴールドマンサックス、4位は三井物産、5位はワークスアプリケーションズとなっています)

    宇宙一愛される経営

    中小企業では、大企業のように知名度・高賃金で優秀な社員を採用することは難しいでしょう。しかし、従業員第一主義を前面に打ち出し、効果的に実施することで優秀な人材の確保が可能になります。採用でお悩みの方は、検討されてみてはいかがでしょうか。

    当事務所のクライアントでも、採用面接時に従業員ハンドブックを渡し、従業員重視の経営理念や従業員との約束を守る会社であることを、うまく魅せて採用が非常にうまくいっているところがあります。

    ちなみに、これは、正社員だけの話ではありません。パートタイマーさんやアルバイトさんも同様です。派遣社員さんにも当てはまります。これからは、非正規従業員をうまく活用できなければ、生き残っていけない時代です。

    さて、当事務所は就業規則が専門なのですが、従業員第一主義によってモラールを向上させようとする場合に、労働問題などリスク回避を目的とした細かい規定満載の就業規則(企業防止型就業規則)は、正直、邪魔なだけです。最低限のリスク管理は必要ですが、モラールアップとのバランスが大事ですね。

    クレドカード

    • 2008-02-07 (木)

    クレドカードというものをご存じでしょうか?

    クレドとは、ラテン語で信条という意味です。つまり、信条を記載したカードというということです。

    平たく言えば、名刺サイズの経営理念手帳と言ったところです。

    リッツ・カールトン・ホテルがクレドカードを使っているということで有名になり、今では多くの企業で、取り入れられています。当事務所でも参考にしています。

    さて、現在、大企業だけでなく中小企業でも理念重視型経営が求められていることもあり、クレドカードが注目されるようになりました。

    経営理念をカードにして配るだけでは、何も変わらないわけで、どのように活用すると効果を上げられるのかを、参考にする必要があります。

    リッツ・カールトンのクレド活用については、いくつかすばらしい書籍が出ていますので、ご一読されることをおすすめします。

    リッツ・カールトン・ホテルの約23,000人の従業員は、「従業員がザ・リッツ・カールトン・ホテルの価値観を100%実践すること」ということを最も重視しています。

    クレドカードは、その価値観を1つにまとめて、名刺サイズの4つ折りのカードにしたものです。そして全従業が常にこれを携帯しているそうです。

    この、クレドカード。ホテルだけでなく、多くの業種で参考になると思います。

    当事務所は、経営理念+行動規範+就業規則の抜粋という構成で作成するので、4つ折りで名刺サイズというのは厳しいので、蛇腹折りとしています。

    個人的には、手帳タイプが好みです。

    馬籠祐次

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